小学生になると、「サッカーやりたい」と言ってくるお子さんも多いのではないでしょうか。
おそらく、お住まいの近くには通える範囲で2~3チームの選択肢があり、どこのチームにするか少なからず悩むことと思います。
今回は、そのチーム選びにおいて、みなさんに見逃してほしくないポイントが一つだけありますので紹介します。
それは、監督やコーチの選手に対する指導やコーチングです。
暴言、怒鳴る、怒る。
これらはチームにひそむ「危険サイン」です。
このような監督やコーチがいるチームでは、決してお子さんがサッカーを楽しむことはできません。
私も小学生の息子がサッカーをしていますが、息子の学年にも一時期このようなコーチがいました。
そのコーチは途中で他のクラブに行ってしまいましたが、その指導やコーチングに保護者たちはうんざりしていました。
選手はいっさい愚痴をこぼしていませんでしたが、サッカーを楽しめているとは決して言えませんでした。
私はこのような経験を他のご家庭や子供たちには絶対させたくないので、この記事を書いています。
せっかく「サッカーやりたい!」と言った子供が、サッカーを嫌いになってしまう可能性があることはとても悲しいことであり、ものすごくもったいないことでもあります。
子供の可能性をつぶしてしまうことになるのですから。
ということで今回は次の3つのポイントを踏まえて詳しく解説していきます。
ポイント
- どのようなコーチングがいいのか、もしくはNGなのか
- 入部のあとに気づいたときはどうすればいいのか
- 親はどう対処すればいいのか
最後まで読んでいただくと、きっといいチーム選びができます。
もちろん、お子さんのモチベーションや近隣のチーム状況など、家庭によって基準が異なると思いますが、少なからずチーム選びの参考になると思いますのでぜひ最後までご覧ください。
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少年サッカーにおけるコーチングとは
コーチングは、指導者が技術的・戦術的な指示をしたり、選手の能力を引き出したり、自ら考えさせたりすることです。
(スポーツ科学的な定義はもっと違うかもしれませんが、今回は世間一般的なイメージを前提に話を進めていきます。)
スポーツの場合、監督やコーチといった指導者が選手に対して
「ああしたほうがいい」
「こうするべきだ」
などと熱心に指導する姿は誰でも見たことがありますよね。
それではいったい、冒頭で申し上げたような、少年サッカーチームを選ぶときに見逃してほしくない「危険」とは、どのようにコーチングにひそんでいるのでしょうか。
少年サッカーにおける怒鳴るコーチング
「コーチング」がコーチングとは言えない
いつも大声を張り上げて、怒鳴っている監督やコーチは危険です。
しかもその内容が悪いのは特にです。
危険なコーチング
- バカ! アホ! やる気あるのか! ふざけてんのか! というただの罵声
- 寝てんのか! 何しに来たんだ! コート出ろ! というサッカーと関係ない叱責
- 足遅いんだよ! キック力無いぞ! へたくそ! という「すぐには解決できない」ことに対する文句
このようなコーチングは、私が選手時代に実際に言われたコーチング、そして今まで見聞きしたコーチングです。
この類のコーチング(もはやコーチングとは言えませんが・・・)をしているチームは危険度が高いです。
何が危険かというと・・・子供がサッカーを嫌いになってしまう可能性がある、ということです。
言われている本人はなおさらですが、他のチームの選手が言われている場合でも、聞いているこちらもめちゃくちゃ気分が悪いです。
子供への影響
上記のような状況で、一番に考えるべきは、
子供達はサッカーを楽しめてるいるのか、
ということです。
注意ポイント
罵声や叱責が多いと、
- 萎縮していいプレーができない
- チャレンジすれば怒られる
- チャレンジしなければそれもまた怒られる
- 子供達はどうしていいかわからない
という負のスパイラルに陥ります。
他の選手にも悪影響
さらには、他の選手にも伝染します。
どういうことかというと・・・
上手な選手が、まわりの選手を罵倒するようになります。
上手な選手も怒られる過ぎると当然ストレスがたまり、練習中や試合中に、まわりの選手にあたって発散するようになります。
そしていつしか、選手同士の関係も悪くなり、声も出さなくなり、ボールにも積極的にからめなくなり、いつも暗いムードで試合することになります。
本来はげましあったり、チームワークを大切にしたり、楽しいはずのサッカーがいつの間にかつまらないスポーツになってしまいます。
もっと詳しく知りたい方はこちらもどうぞ!
少年サッカーにおける良いコーチング
ひとつひとつのプレーを尊重する
大事なのは、選手のプレーを認めてあげること、尊重することです。
ミスを責めるようなことはしません。
ミスになったのは結果論であり、選手だってミスをしたくてするわけではないからです。
「何をしようとしたか」
「考えたうえでのプレーだったのか」
「ミスになったけどこうやりたかったんだよね」
が大事なのです。
例えば、ボールを保持している選手が、相手デフェンス2〜3人に囲まれたとします。
多くの選手はパスを選択するかもしれません。
しかしその子はドリブルを選択しました。
結果的にボールを取られた場合、自己中心的プレーと捉えるのではなく、そこを突破して数的優位の状況を作る狙いがあったかもしれない、
ということです。
決してプレーの意図を否定しません。
危険なコーチングだと、
「なんでパス出さないんだ!」
「判断が遅い!」
ということになるでしょう。
サッカーに正解は無いのです。
もちろんある程度は、戦術などでセオリーはあります。
そのセオリーがある中でミスになった時に、「この選択肢もあったよ」とアドバイスすることが大事となってきます。
ほめるべきところはほめる
子供はいい意味で調子に乗れれば、すごくいいプレーをするようになります。
もちろんミスした時には力強くアドバイスしたり、ゲキを飛ばしたりするような時もありますが、ほめるべきところはほめてあげます。
例えば、
FWの子がシュートはずして、決定的なチャンスを逃してしまった。
しかし、トラップまでは完璧だった。
思わず「もっと落ち着け!」「そこは外すなよ!」と叫んでしまうこともあるでしょう。
だけど「トラップまでは100点だったぞ!今度は決めよう!」と次のチャンスにつなげてあげるのです。
そうすると、子供は次頑張ろうと切り替えられるのです。
選手に考えさせる
ただほめるだけでは選手は成長しません。
しっかりミスを指摘してあげて選手になぜうまくいかなかったのか考えさせること、言語化させることが大事です。
例えばこんかやりとり
しっかり選手に言語させて、なぜうまくいかないのか考えさせるアドバイスをしましょう。
子供への好影響
のびのびプレーできる
サッカーが楽しくなります。
そして、のびのびプレーができるようになります。
ミスをしてもいいんだ、と思えるようになり、チャレンジ精神が出てきます。
そしてミスを怖がらなくなり、思いっきたプレーができるようになります。
自然と声が出せるようになりう、活気のあるチームづくりにつながります。
まさに、正のスパイラルです!
チームメート同士で声をかけあう
指導者がポジティブなコーチンをすると、選手同士もポジティブに声を掛け合うようになります。
選手同士で褒め合うことはかなり勇気づけられます。
そして、文句ではなく要求し合うようになります。
文句:「パス出せよ!」
↓
要求:「こっちも見ようぜ。俺フリーだったよ。」
これって、パスを出さなかった選手は、「次はもう少しまわりを見てみよう」と気持ちが ぐっっっと あがりますよね。
こんな感じで声をかけあえれば子供たちは前向きにプレーできます。
良いチームは、監督・コーチが多くを発しなくても、自分たちで声を掛け合い、盛り上げ、楽しくプレーしています。
少年サッカーチームの保護者ができること
これからサッカーチームを選ぶ場合
捨てるべき考え
サッカーチームを選ぶとき、
「うちの子は厳しいぐらいでちょうどいい」
「とにかくビシバシやってほしい」
と思っているパパママは、まずこの考えは捨てるべきです。
サッカーは楽しむことが第一です。
やるのは子供です。親ではありません。
練習と試合の両方を見る
練習体験では、低学年と高学年ではコーチングの内容は変わってくるかもしれませんので、その点も気にしてみるといいですね。
低学年には優しく、高学年になったら急に罵声が飛ぶ、なんていうことも「無きにしもあらず」です。
また、練習体験だけでなく、必ず試合も見に行きましょう。
練習と試合は雰囲気が違います。
試合は当然勝敗がつきますので、その真剣勝負の中でどんなコーチングをしているか、がポイントです。
もし勝利至上主義のような印象が強いチームなら、よーーくコーチングの内容を聞いてください。
所属選手のパパママから情報を得る
体験練習に行くと、練習を見ている保護者がおそらく何人かはいると思います。
挨拶がてら、普段の練習の様子や、監督の人柄、どのようなコーチがいるのか、今日来ていないコーチはどんな人なのか、いろいろと情報を得ておきましょう。
入部した後に危険なコーチングに気づいたとき
たくさんほめてあげる
パパとママがたくさんほめてあげましょう。
チームで怒られ、家で親にも同じようなことをアドバイスや指摘をされても、子供はうんざりしてしまいます。
ですので、試合や練習で良かったシーンや、何かできたことについては一つでも良いので、しっかりほめてあげてください。
試合に引率した場合、保護者の皆さんで声援を送ってあげると選手の力になります。
※コロナ禍は試合規定に従って応援してください。
アドバイスは慎重に
保護者が試合を見に行った場合
パパがサッカー経験者だと、ついつい口を出したくなります。
それに必要なアドバイスならやはり伝えたいですよね。
その場合、ダメ出しをするのではなく、「次はこうしてみよう」などと前向きにアドバイスしましょう。
あと、アドバイスをしたあとはほめることを忘れないでくださいね。
それと、試合で怒られたことが多かった日は、「気にするな」と一言声をかけてあげましょう。
それだけでも子供は気持ちが軽くなります。
親が試合を見に行けない場合
「今日も頑張ったね」と一言声をかけてあげましょう。
子供のがんばりが気になるところですが、あまりプレーについて深入りしないようにしましょう。
くれぐれも「今日点取った?」なんて聞かないでくださいね。
子供にとってはプレッシャーでしかありません。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
サッカーチームを選ぶとき、親の送迎、子供のモチベーション、仲良しのお友達と一緒のチームに入りたい、など、いろいろなことを考慮すると思いますが、できるだけ選手ファーストで、のびのびとサッカーを楽しめるチームを選んで頂きたいと思います。
罵声や暴言を飛び交うサッカーチームでは子供は上手になりませんし、楽しむことができません。
何よりも人として成長できません。
これからサッカーチームを選ぶ方ご家庭は、
- 練習と試合、両方を見に行く
- コーチングの内容をしっかり聞く
サッカーチームに入部した後に怒鳴るコーチや監督がいることに気付いたいときは、
- 親がたくさんほめてあげる
- 試合で積極的に声援を送る
- 保護者同士が協力して、チームの雰囲気を少しでも良くする
ということを意識しましょう。
みなさんがいいチーム選びができることを祈ります!
それではまた会いましょう!
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